台風19号に伴う油流出事故について

令和元年 台風19号について

2019年10月12日に日本に上陸した台風19号は、
関東甲信越地方、北陸地方、東北地方等で猛威を振るい、
記録的な大雨となり甚大な被害をもたらしました。

その結果長野県の千曲川や福島県の阿武隈川を始め多くの河川が氾濫し、
浸水してしまった地域も少なくありません。

この大雨や暴風、河川の氾濫等に伴い、
油流出事故も各地で起きています。

宮城県大崎市鹿島台の油流出事故について

台風19号の豪雨により宮城県大崎市の吉野川の堤防が決壊し、
200軒以上と大規模な冠水被害が起きてしまいました。
そして10月16日に同市で、油流出が確認されました。

詳細な油流出量は不明ですが、最大4000リットルとされています。
また発生現場も冠水による影響で特定に至ってはいません。
現在は週辺3つの河川にフェンスを設置し油流出拡散の防止に努めています。

リンク:http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/kisya/kisyah/images/77861_1.pdf

神奈川県川崎市 東扇島沖での油流出事故について

同じく台風19号の影響で神奈川県川崎市の東扇島沖東京湾において、
貨物船が沈没し燃料が最大61トン油流出してしまいました。
油は約3キロ先まで広がり、油流出の拡散防止、回収を行う等の対策を打っています。

リンク:https://www.kanaloco.jp/article/entry-202750.html

油が河川や流出した際の影響

過去の記事でも触れましたが、油流出してしまうと周囲に大きな影響があります。
畑や田んぼに油流出してしまうと、そこでの収穫は難しくなってしまいます。

今回は東扇島沖では海での油流出が起きましたが、周囲で漁業や養殖を行っている方たちも、
収穫や作業が行えなくなってしまいます。
またその年だけでなく浄化が完了するまで行えないこともあります。

このようなことが起こると農家や漁師の方々が生活ができなくなってしまいます。
今回は台風の影響でしたが、これが原因が過失によるものだった場合、
この方々の生活や浄化費を補償する責任が発生することもあります。

自身のためはもちろん、周辺で生活する方々の為にも、
油の管理・油流出事故の対策は適切に行わなければなりません。

油が河川や海へ流出した際の対策

河川に油流出した際には吉田川で行っているように、
それ以上油流出が拡散することがないようにフェンス等を設置することが大切です。
しかし今回程大規模で冠水して油流出ルートが多い場合は、
完全に拡散を止めることが難しいかもしれません。
その場合でも水が引いた後に土壌や地面に残っている油を、
セルソーブオイルゲーターのような油吸着材で対策することが重要です。

海へ油流出してしまった際は東扇島沖で行っているように、
フェンス等で拡散を防止しながら吸着マットで吸着・回収が基本になっています。
またポンプ吸引しで回収することもあります。

場合によっては中和剤を使用することもありますが、
これ中和剤自身が化学的な物質ででできており環境に悪影響を及ぼす可能性がある為、
使用には注意が必要です。

沿岸の岩礁や砂浜に流れ着いた油に関しては、
バイオフューチャーの油吸着分解剤オイルゲーターで対処が可能です。
万が一の油流出事故の対策品として備蓄してみてはいかがでしょうか。