山口県沖での海上自衛隊護衛艦からの油流出について
山口県沖での海上自衛隊護衛艦からの油流出について
山口県沖の海上で2023年1月10日0時半頃、海上自衛隊の護衛艦「いなづま」が海底の岩等と接触したとみられ、船尾にあるスクリューが正常に動作せず自力航行が不能になりました。
乗員にけが人はいませんでした。
事故直後に少量の油の流出を確認しましたが、迅速な対応で流出した油はほぼ回収されたそうです。
油が海洋に流出した際の悪影響について
油が海洋に流出すると様々な悪影響が発生します。
今回の山口県沖での海上自衛隊護衛艦の事故では迅速な対応で油を回収しましたが、もし油を回収できなかった場合、どのような悪影響をもたらす可能性があったのかご紹介していきます。
海中や周辺の生物への悪影響
海洋へ油が流出した際に最も影響を受けやすいのが海中の魚等の生物や、海洋周辺に生息する海鳥等の生物です。
海面に油が浮いているとその油が海洋生物や周辺の生物に付着したり体内に摂取してしまう可能性があります。
その結果で運動機能や体調に悪影響が発生し、結果的に死に至ることもあります。
このように生物に悪影響があると、その周辺全体の生態系が崩れたりする可能性もあります。
産業への悪影響
海洋へ油が流出すると周辺の生物だけでなく、周辺で生活している人々への悪影響も発生する可能性があります。
油が海洋へ流出してしまうとその周辺で漁業を行っていた場合、漁業を行うことができなくなったり、周辺で魚が取れなくたったり取れても油が付着して売り物にならない、といったケースも起こり得ます。
また油が沿岸へ流れついてしまうと、そこ行われている産業も正常に機能しなくなる可能性もありますし、観光客が減ってしまうということも起こることがあります。
油が海洋に漏れた際の対処方法
油が海洋に漏れた際、どうやって対処したらいいでしょうか。
上記のように紹介したように、海洋に油が拡散してしまうと様々な悪影響が発生してしまうため、油を漏らさないようにすること、油が漏れてしまった際には迅速に対応することが必要です。
海洋に油が漏れた際には陸上の場合と異なり回収することが困難です。
油が拡散しないようにオイルフェンス等で周辺を囲い、オイルマット等で油を吸着し回収するという方法が一般的です。
しかし漏れた油の量が膨大な場合はオイルマットで回収するだけでは回収しきるのが困難なため、油中和剤(油処理剤)と呼ばれる界面活性剤で油を細かくし、分解しやすい状態にすることもあります。
しかし油中和剤は細かくするだけで油を無くすことはできない、また油中和剤の成分自体が環境へ悪影響がある可能性があるという点には注意しなければなりません。
バイオフューチャーで取り扱っているオイルゲーターは海洋では使用できませんが、沿岸に流れ着いた油を吸着・分解することができます。
吸着した後は再溶出せずオイルゲーターに含まれる微生物によって分解されるため、使用後に回収したり産廃として処分する必要がありません。
陸上・海上問わず油が漏れた際はどんどん広がっていってしまうため、今回のケースのように迅速な対応が求めらます。
油漏れ対策品を用意するのはもちろんですが、日頃から油が漏れた際の対処の方法をきちんと共有し、事前に有事の際の準備を行うことが大切です。