A重油流出事故に対するバイオでの処理
お客さまの課題と要望(どんなお悩み?)
東北地方で起きた、A重油流出事故の現場。約1000ℓの油流出と同時に地下浸透を起こし、100m程度離れた敷地外の用水路でも油の流出を確認しました。原因箇所からの油の除去と共に、用水路の環境修復を課題目的とした処置を行いました。
なお、弊社が処置を行う前に、原因者による拡散防止用のフェンス等の設置、バキューム処理を行いました。
解決方法(どのように解決したか?)
まず始めにボーリング検査で汚染の範囲や程度を確認しました。大規模な油流出事故で油溶出が収束しないために、原位置浄化での処置を行うことになりました。
北側と南側2か所に集水桝を設置し、その二つを地中でパイプで繋ぎました。
流出した油がたまった北側の集水桝へ炭化水素の分解が得意な液体バイオHCを投入します。
液体バイオHCは地下のパイプを通って南側の流油が集まった集水桝まで流れていきます。
南側の集水桝の水を油水分離槽を通し地上のタンクに汲み上げ、その汲み上げた水を再度北側の集水桝へ流し循環させます。
この方法をバイオリアクター方式といい、循環させることでバイオと油の接触率を高め油分解の効率を高めるというメリットがあります。
バイオの投入量は1回につき約1000ℓ、これを約3か月で20回行いました。
その他(その後の経過、注意提案など)
約3週間経過した時点で集水桝内の水の透明度が上がり油臭も少なくなりました。
約2か月後には油臭・油膜ともにほぼ確認できない状態になりました。
約3か月後には、水質検査にて測定の下限値まで低下し、浄化作業の完了となりました。万が一の為に、現場に観測井戸を設置し、その後4か月間水質検査を行いましたが、その後も水質に問題は現れませんでした。