油処理剤の知識・種類・正しい使い方とは

油処理剤とは

 

油がタンクから外部に漏れだし土壌や川・海等に流出すると環境汚染となります。
昔の廃棄物処理はSolution to pollution is dilitionが普通で、
薄めてわからなくしてしまえばそれで良しとする考え方が主流でした。
1970年頃までこの考えが強く廃油も土中に埋めて土を被せて終わるという時代でした。
よって界面活性剤(油処理剤)をかけ分散させ見えなくさせれば良いという意識を持っていました。

こういった経緯で油処理剤は界面活性剤から始まりました。
しかし油は見えなくしても自然の中に残り環境を汚染してしまう為、
できるだけ回収しようという意識が高まり、油吸着材が広まってきました。
そしてバイオテクノロジーの発達と共に、バイオによる油分解処理(バイオ製剤)が
行われるようになってきました。

これらの界面活性剤や油分解用バイオ製剤のことを総じて油処理剤と呼びます。

 

油処理剤が注目を集めた事件

 

油処理剤が世界の注目を集めた最初のきっかけは、1967年に起きたトリー・キャニオン号の大きなタンカーの座礁でした。
これにより約12万トンの原油が流出し、イギリスとフランスに深刻な被害を及ぼしました。

1989年にはエクソン・バルディーズ号がアラスカで座礁し、
原油約3万7千トンの流出により環境被害が大きく取り上げられました。(http://www.mlit.go.jp/kaiji/seasafe/safety11_.html
2010年にメキシコ湾の石油プラットフォームから大量に原油が流出した際には、
その対応として天然の微生物による油分解が行われました。

 

転覆した船 油処理剤

 

油処理剤が活躍するシーン

  

油処理剤が活躍するシーンは、実は工場や農家、一般家庭など、いたる場所で油処理剤の利用シーンがあります。

例えば、よく身の回りでも工場や農家等、燃料を扱う場面では常に油流出と背中合わせです。
また、冬は一般の家庭でも灯油をよく使いますが、これもこぼしてしまったら油流出です。

どちらも、油を流出させてしまうと時間経過と共に、土中や地下水等を通し汚染範囲が広がっていきます。
このような不慮の事故の際に、油処理剤の備えがあるかどうか、
またどれだけ早く対応できるかどうかがとても重要になってきます。

 

灯油タンク 油処理剤

 

油処理剤の種類

  

油処理剤の種類には大きく分けて、3種類あります。

流出した油の処理には化学的処理(処理剤)、とバイオによる分解処理(微生物製剤)があります。
また厳密に言うと油処理剤とは言いにくいですが油を処理する方法の一つとして、
吸着回収による物理的処理(吸着材)があります。

 

界面活性剤系 油処理剤(化学的処理)

  

界面活性剤系 油処理剤は、分散剤とも言います。日本やアジアでは中和剤とも呼ばれます。

界面活性剤が持つ親油基と親水基によって乳化・分散させます。
わかりやすく言うと浮いた油や油膜を目に見えない大きさまで細かくします。
即効性があり、細かくすることで天然の微生物等で分解しやすくするという良い点があります。

しかし、この油処理剤は細かくしているだけで無くなっているわけではないので、
その場に油を分解する微生物がいなければ油は分解できないという点は注意が必要です。

 

油吸着材系 油処理剤(物理的処理)

  

油吸着剤系 油処理剤は、水を吸わず油だけを吸う吸着材で油吸着し回収する方法です。

素材はポリプロピレンや天然素材等様々あり、
用途に応じてマット状やフェンス状になった物もあります。
バイオフューチャーにもセルソーブ・セルマット・セルフェンスといった商品があります。

瞬時に吸着する為使い方も簡単で、設置することで拡散防止用としても活躍します。
しかし、この油処理剤の場合は、吸着した後の吸着材は油を含んでいるので産業廃棄物として処理しなければなりません。(詳しくは各自治体でご確認ください)

 

生物処理系 油処理剤(分解処理)

  

生物処理系 油処理剤とは、微生物(バイオ)が持つ酵素の働きによって有害物質を分解し浄化する方法です。

油を分解し無くしてしまうことができるので産業廃棄物として処理する必要が無く、
比較的安価に行えるというメリットがあります。

また化学的な成分を使わないので環境への負荷が少ないという利点もあります。
しかし汚染の種類や濃度によって期間が長くなってしまうこともあります。

 

油吸着分解剤オイルゲーターは吸着+生物処理による油処理剤

  

油吸着分解剤オイルゲーターは上記で挙げた中では、吸着+生物処理の性能を持った油処理剤です。

天然成分でできているので環境や人にとても優しい油処理剤です。
使用先としては主に土壌やコンクリート等の床面ですが、
油と接触すると瞬時に油を内部に取り込み油膜と油臭を抑えます。

保持力に優れていて再溶出しない為、吸着後は土壌へ置いておいて構いません。
そして内部のバイオが取り込んだ油を分解するので産廃として処理する必要がありません。
油を吸着した後はバイオによる分解を待たず焼却処分も可能です。

 

油吸着分解剤オイルゲーター 油処理剤

 

油処理剤の正しい知識

  

油処理剤は、上記にあるように様々な種類があります。

どの油処理剤も、その長所と短所があり使う場所や場面によって油処理剤を使い分けることが重要です。

バイオフューチャーがオススメする油処理剤のは基本的には土壌や床面にこぼれた油は、
油吸着分解剤オイルゲーターのように環境や生物への負荷が小さい方法で処理する方法です。
こぼれた量が多い場合や地下水に到達している場合は油分解用の液体バイオを併用することで、
より効率的に油を処理することが可能な油処理剤です。

油が水面にこぼれた場合や水路等を通って拡散してしまいそうなケースでは、
油処理剤を使用するとそれらを処理・拡散防止することが可能できます。
使用後の油処理剤は自治体によって処理の方法が異なる可能性がるのでご確認ください。

界面活性剤は上記の2種が使用しにくい外洋等で活躍します。
作業性や反応時間等を考慮すると界面活性剤が一番扱いやすいです。
そこで界面活性剤で油を細かくしたその後は、
紫外線や天然の微生物による分解に委ねることになります。
更に海洋生物に対する悪影響も考慮する必要があることも注意しなければばりません。

またバイオ製剤を使用する際に界面活性剤と併用することで、
バイオが油をバイオが分解しやすい大きさにして分解効率を高めることも可能です。

油処理剤に関する正しい知識を身につけ、現場に合った最適な方法で、
汚染を浄化することが大切です。
油処理剤について、何かわからないことがあればお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

 

油処理剤の相談事例

 

油が流出してしまい油処理剤でどうにかしたい、という相談がしばしば入ってきます。
その相談の一例を紹介したいと思います。

先日あった相談は工場を持つ企業の方からで、
工場のタンクから燃料が土壌に漏れてしまい油処理剤で処理したいがどうしたらいいか、
という内容の相談で詳細と希望は以下の通りでした。

・油の流出量は不明
・汚染範囲は約1,200㎥位
・汚染濃度は約5,000ppm程度
・環境に優しい油処理剤で処理したい
・原位置で処理したい

 

油流出イメージ

※写真はイメージ例です

バイオフューチャーの油吸着分解剤オイルゲーターは、
土壌の油流出に対して効果を発揮する油処理剤です。
また環境に優しく原位置で浄化できるのでぴったりの商品でした。

油流出量・汚染範囲・汚染濃度の3項目と、
現場の状況、お客様の要望に合わせて使用量や使用方法を提案します。
油処理剤もオイルゲーターだけではなく地下水に到達してしまった油の浄化手段として
液体バイオの油処理剤を使用することもあります。

 

オイルゲーター使用イメージ

※オイルゲーターの使用イメージ例です

このケースの場合では油流出量は不明ですが、
汚染範囲や汚染濃度を調査していただいていたので、
オイルゲーターの使用量も算出することができました。

オイルゲーターは基本的に汚染濃度が高ければ1㎥に対して1袋、
汚染濃度が低ければ2㎥に対して1袋使用します。
この工場の場合、5,000ppmとさほど高い数値ではなかったので、
600袋を使用していただき土壌汚染を浄化しました。

この企業様は自社で重機等を持っていたので自ら施工も行いましたが、
バイオフューチャーは油処理剤の販売だけでなく施工を行うこともできます。
土壌汚染にお困りの際はお気軽にお問い合わせください。

また、今回の燃料による土壌汚染が後日どのように改善されたか、
機会があればご紹介できれば。思っております。