クリーニング工場の土壌汚染問題!調査の流れと浄化方法について解説します
クリーニング工場で土壌汚染!?調査を行う契機とは
クリーニング工場で土壌汚染調査を行う必要があるのはどのような場合かご存知でしょうか。
ドライクリーニングで使用する溶剤には、「テトラクロロエチレン」などの特定有害物質が含まれていることがあります。このテトラクロロエチレンは強い洗浄力がある一方で、発がん性が認められています。
クリーニング工場の稼働中に、テトラクロロエチレンを含む溶剤が漏れて土壌に浸透する可能性があり、そのまま放置すると環境破壊や健康被害のリスクが高まります。
そのため、現在では「土壌汚染対策法第3条」に基づき、特定有害物質を使用していたクリーニング工場が廃業する際には、土壌汚染の調査が義務付けられているのです。
このコラムでは、クリーニング工場における土壌汚染調査が必要なケースや、調査・浄化の方法について詳しくご紹介します。また、当社バイオフューチャーが行う土壌汚染の浄化方法についても触れていきます。
クリーニング工場で土壌汚染の調査を行うケース(義務調査・自主調査)
クリーニング工場における土壌汚染調査は、義務調査と自主調査の2種類があります。
【義務調査】
義務調査が必要となるのは、特定有害物質が含まれる溶剤を使用していた場合です。
クリーニング工場でテトラクロロエチレンなどの特定有害物質を扱う場合、「特定施設」として都道府県に届け出を行う必要があります。
特定施設として届け出をしたクリーニング工場を廃業したり、特定有害物質の使用を廃止する場合は、義務調査を行います。義務調査を実施できるのは国が指定した調査機関に限られており、使用を廃止してから120日以内に調査することが求められています。
【自主調査】
基本的に以下の場合、調査の必要はありません。
- ・特定有害物質を使用しなかった場合
- ・土壌汚染対策法施行前(2003年)に廃業した場合または溶剤の使用を廃止した場合
しかし、クリーニング工場を廃止する場合に、自主的に土壌汚染調査が行われることがあります。例えば、クリーニング工場跡地を売買するときです。土地を売却した後に土壌汚染が発覚した場合、損害賠償やトラブルにつながる可能性があります。そのため、売買の前に土壌汚染調査を行うことが望ましいのです。
クリーニング工場跡地の売買における自主調査では、売主と買主の間で調査内容を協議し、自由に決めることができます。
クリーニング工場で行われる土壌汚染調査の種類
クリーニング工場における土壌汚染調査は、前述のとおり国が指定した調査機関に依頼することになります。
土壌汚染調査には3つのプロセスがあります。
- 1.地歴調査
その土地が過去から現在までどのように利用されてきたかを調べ、土壌汚染の可能性を評価します。
- 2.表層調査(土壌ガス調査)
その土地から土壌試料やガスを採取し、表層の汚染状況を評価します。
- 3.ボーリング調査
その土地に汚染物質がどのくらいの深度まで浸透しているか評価します。
詳しい調査内容については、以下のコラムでご紹介していますのでぜひご覧ください。
土壌汚染の改良費用の目安はいくら?土壌汚染の調査や浄化にかかる費用をご紹介します
クリーニング工場での土壌汚染の浄化方法の種類
クリーニング工場での土壌汚染の代表的な浄化方法は4種類あります。
どの浄化方法が適しているかは、調査結果やその土地の周囲の状況などによって異なります。
掘削除去 | 汚染された土壌を重機などで取り除く方法。掘削後は安全な土壌を埋めて元の状態に戻す。取り除いた汚染土壌は、廃棄物処理施設に運ばれる。 |
土壌ガス吸引法 | 真空ポンプなどの吸引機器を使って、地中のテトラクロロエチレンなどの有害物質を空気とともに吸引して取り除く方法。クリーニング工場の操業中でも対応可能。 |
化学的酸化分解 (フェントン法) |
「フェントン試薬」という薬品を使って、化学的に汚染物質を分解・酸化させ、無害な物質に浄化させる方法。 |
バイオレメディエーション | バイオ(微生物)を利用して、自然の力で汚染物質を分解し浄化する方法。クリーニング工場の操業中でも対応可能(詳細は後述)。 |
これらのうち、バイオレメディエーションは環境に優しく自然の循環を利用した浄化方法のため、昨今ニーズが高まっている浄化方法です。当社バイオフューチャーも、このバイオレメディエーションで土壌汚染の浄化を行っています。
バイオレメディエーションについては、この後詳しくご説明します。
バイオフューチャーは自然に優しいバイオで土壌汚染を浄化します
バイオフューチャーは、自然に優しいバイオを活用し環境を浄化する「バイオレメディエーション」に対応しています。
浄化方法には複数の選択肢がありますが、その中でも最も自然に優しい方法はバイオレメディエーションです。バイオレメディエーションは、自然に優しいだけでなく、コスト的にもメリットがあります。昨今、環境への意識が高まる中、バイオフューチャーは人と自然の調和を大切にしながら環境問題を解決し、未来へつなげる役割を担っています。
バイオの力を利用したバイオレメディエーションの技術を、バイオフューチャーは自信を持ってご提供いたします。
ここからは、バイオレメディエーションのメリットや、バイオフューチャーの強みについて、詳しくご紹介します。
安全なバイオなので人に優しく、環境への負荷も小さい
バイオフューチャーが取り扱うバイオ製剤では、世界最大の生物資源バンクであるATCCで最も安全性が高いと認められている微生物を使用しています。民間機関においても検査が行われ、その安全性が保証されています。
人や環境に無害なバイオ製剤ですので、安心してご使用いただけます。
掘削除去など他の浄化方法とは異なり、バイオレメディエーションは汚染された土壌を外部へ持ち出したり、化学薬品による浄化は行いません。そのため、環境への負荷が小さいというメリットがあります。
また、クリーニング工場の浄化で使用するバイオ製剤は液体ですので、汚染された土壌だけでなく、地下水にまで浸透した有害物質の浄化にも対応可能です。
バイオレメディエーションは自然の力を利用して浄化するため、浄化の進行状況を確認しながら、基準値以下になるまでしっかりと元の状態に戻していきます。
比較的費用を抑えることができる浄化方法
バイオフューチャーのバイオレメディエーションは、高価な設備や薬品を必要とせず、原位置(その場所)での処理が可能です。そのため、掘削除去のように土壌の搬出や産業廃棄物として処分する必要がありません。運搬や処分にかかる費用を削減できますので、他の浄化方法よりも比較的費用を抑えられます。
バイオレメディエーション技術を活用することで、環境への負荷を最小限に抑えつつ、効果的に土壌を浄化できるため、総合的にコストパフォーマンスが優れている点が大きな魅力と言えるでしょう。
豊富な実績と高い専門知識でしっかりとサポート
当社バイオフューチャーは、会社設立から29年以上にわたる現場経験を持つ、バイオの専門家です。この豊富な経験を活かし、さまざまな土壌汚染に関するご相談にも対応可能です。
クリーニング工場での土壌汚染はもちろん、ガソリンスタンド跡地や工場などから漏れた油汚染土壌の処理にも対応しています。
環境や土壌汚染のさまざまな問題に対応するため、環境問題や土壌汚染に関する深い知識を持った専門家が在籍しています。お客様の現場に応じた最適なご提案から、浄化作業まで一貫して対応することができます。
バイオフューチャーのクリーニング工場の土壌汚染浄化事例
バイオフューチャーにおけるクリーニング工場の土壌汚染浄化事例をご紹介します。
当社では、塩素系有機化合物の分解が得意な「液体バイオ製剤CL」を使用して、クリーニング工場の土壌汚染浄化を行っています。
【クリーニング工場跡地-宮城県】
- ・汚染対象:土壌および地下水
- ・汚染範囲:1,000㎥(深度 GL-5.0m)
- ・作業期間:6か月(浄化確認含め約1年)
- ・浄化方法:汲み上げバイオリアクター処理+バイオ注入方式
- ・バイオ使用量:1,000L/月×6か月=6,000L(1.0L/㎥)
- ・浄化推移:地下水
※基準値=テトラクロロエチレン:0.01mg/L以下、トリクロロエチレン:0.03mg/L以下
クリーニング工場の土壌汚染浄化ならバイオフューチャーにお任せください!
クリーニング工場の土壌汚染浄化に関するご相談は、バイオフューチャーにお任せください。
今回のコラムでは、クリーニング工場における土壌汚染調査の必要性や種類、さらには土壌汚染浄化の方法について詳しくご紹介しました。バイオレメディエーションの技術が社会的にも重要であることをご理解いただけたと思います。
バイオフューチャーでは、多数の土壌汚染浄化実績がありますので、クリーニング工場の土壌の状況などに応じて、最適な浄化方法をご提案いたします。
土壌汚染調査後の浄化からモニタリング、行政の報告までを一貫して対応することもできます。
※土壌汚染調査は国が指定する調査機関などにご相談ください。
クリーニング工場の土壌汚染浄化についてご不明な点などがございましたら、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。